韓国ドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々〜」は2018年に放送が始まるやいなや人気が爆発し、いまでも根強い人気のある作品ですよね。
管理人も大好きな作品です。
この記事では、トッケビとは一体何なのか、その起源を解説し、絵本と児童書から見た目や持ち物を解き明かします。
韓国の民話や伝承に欠かせない存在であるトッケビについて
「疑問に思っていた。」
「起源や特徴を知りたい。」
「もっとくわしくなりたい。」という方はぜひ読んでみてください。
トッケビとは何か?
トッケビは韓国語で「도깨비」と書きます。
韓国の伝説や民話に登場する幽霊や妖怪の一種だそうです。
「トッケビ」とは、韓国で古くから伝承されている妖怪の一種で人間の姿に似ており不思議な力を持ち悪戯好きで棍棒を持ち人との交流を好むなどの特徴をもつ精霊・鬼のことを意味する表現。
weblio国語辞典 https://www.weblio.jp/
トッケビは人間とともに生活することはないものの、わりと近くに存在していて、人間との交流を好むものもあるようです。
そして人間に騙されたり、利用されたりすることもあります。
良い人間には福をもたらし、悪い人間をこらしめるということもあります。
日本の「鬼」と近いものがありますが、「鬼」ほど恐れられてはいない存在。
それがトッケビというもののようです。
トッケビの起源
トッケビの起源ははっきりしたことが分かっていません。
新羅時代879年に作られた「処容歌(チョヨンカ)」という歌に出てくる神を起源とする説もあるそうです。
言葉としては1447年に朝鮮最後の統一王朝李氏朝鮮で作られた釈迦の一代記「釈譜詳節(しゃくふしょうせつ)」という書物に初出しているそうですが、こちらもトッケビと同一とみるかどうかは諸説あるそうです。
絵本から解き明かすトッケビ。
トッケビが韓国で古くから伝承されてきた存在であれば、民話やおとぎ話に登場してくることがあるはず。
ドラマの中で主人公ウンタクがしていたように絵本で調べてみるのが良さそうだと思い、何冊かピックアップして読み込んでみました。
絵本に出てくるトッケビの見た目
ドラマでのトッケビはコン・ユさんが演じ、とても魅力的でうっとりするような見た目でしたが(笑)
絵本に出てくるトッケビは一体どんな見た目なのでしょうか?
絵本に出てくるトッケビの姿はさまざまで
- 日本の鬼に近いもの
- 幽霊の姿をしているもの
- どちらかというと妖怪じみたおじいさんのようなもの
- かわいらしい猫のようなもの
- しっぽがあるもの
がありました。
文章で具体的に書かれていた猫のようなものの描写について引用します。
人間なのか さるなのか みわけのつかない かおに、ひょろながい てあし。
「うしとトッケビ」株式会社アートン 文=イ・サン 訳=おおたけ きよみ
くろっぽい けなみに、にょっきりはえた みみ。
ちいさな しっぽまでついていて、
ねこのようでもあり、いぬのようでもありました。
日本の鬼と言えば、角があり、赤色や青色の肌、トラ柄パンツを身に付けているというある一定のイメージがありますが、韓国のトッケビは自由なイメージがあるようです。
背の高さも小さいものから大きいものもいます。
- 人間と同じ二足歩行
- 目鼻立ちもわりと人間に近い(鼻が長いのもいる)
というのが共通した見た目でした。
絵本に出てくるトッケビの行動
次にトッケビの行動について見ていきたいと思います。
トッケビは、ひと晩のうちに百四十里もの道を、行って帰ってくることができるのだそうです。
文庫「だまされたトッケビ」株式会社福音館書店 神谷 丹路 編・訳
韓国の十里は日本の一里にあたるそうで、百四十里は約56キロメートルです。
42キロメートル程のフルマラソンよりも長い距離を往復できるとなると、トッケビはすごい移動能力がありますね。
トッケビは、からっぽの おおばちを あっというまに
「トッケビと どんぐりムク」株式会社福音館書店 イ・サンギョ 再話 おおたけ きよみ 訳
おかねで いっぱいにしてくれました。
「トッケビとどんぐりムク」というお話のあらすじはこうです。
母に作ってくれたどんぐりムクを市場に売りに行った貧しい家の少年が、帰り道にトッケビに出会います。
トッケビはおいしいどんぐりムクを平らげてしまいます。
空っぽになったおおばちを悲しげに見る少年のため、トッケビはおおばちにお金をだしてくれました。
少年と母は、そのお金で畑を買って生活をするようになり、どんぐりムクを市場に売りに行かなくてよくなりました。
トッケビはどんぐりムクを食べられなくなってしまいました。
どんぐりムクというのはどんぐりのでんぷんを固めて作ったゼリー状の食べ物です。
作るのに大変手間のかかる食べ物で、うまく作れる人は重宝されるようなのです。
この絵本から分かるに、トッケビはあまり後先考えずに行動してしまうもののようですね。
そして人の好さもにじみ出ています。
韓国の人たちが親しみを持っているのも分かります。
絵本に出てくるトッケビのこわいもの
トッケビのこわいものは何でしょうか。
絵本から分かったのは「にわとり」と「白い馬の赤い血」の2つでした。
「たいくつだよー。おれ、メーメー、
「さびしがりやのトッケビ」平凡社 ハン・ビョンホ 作・絵 藤本朝巳 訳
ニャーニャー、キャンキャンと
あそびたいよう・・・・・・。
でも コケコッコが こわいよう!」と
ひとりごとを いっては、
シムシミは、きょうも ふかい 山おくに、
ひとり さびしく くらしているそうな。
牛や犬などほかの動物はトッケビを恐れ、付き従うのですが、にわとりだけは恐れを知らずトッケビに向かっていきます。
にわとりにつつかれたトッケビはそれからにわとりをこわがるようになりました。
白い馬の赤い血がここわい
文庫「だまされたトッケビ」株式会社福音館書店 神谷 丹路 編・訳
「だまされたトッケビ」という文庫本の中の一話「トッケビがこの世でいちばんこわいもの」という中の一節です。
トッケビとは知らず一緒に暮らし始めた女性が、伴侶の正体がトッケビだと分かったとたんに追い出そうとします。
女性がトッケビにこわいものは何か聞いたら、トッケビは答えました。
そのあと、トッケビのいない隙に女性は家じゅう白い馬の血だらけにしてしまいます。
トッケビは怯えて出ていくことになります。
絵本に出てくるトッケビの好きなもの
絵本に出てくるトッケビの好きなもの(飲食物)は「肉」、「酒」、「ムク」の3つでした。
「肉」は金をいくらでもはずむから売ってほしいと頼むほど好きなようです。
「酒」は仲間と集まって飲むのが好きなようです。
「ムク」はどんぐりの粉かそばの粉で作ったものを好むようです。
食べ物のほかに、仲間とすもうをとることも好きなようですよ。
絵本に出てくるトッケビの持ち物
トッケビは人間はけっして持っていない不思議な持ち物を持っています。
それは「こんぼう」、「石臼」、「上着」です。
しかし、ただの「こんぼう」、「石臼」、「上着」ではありません。
「こんぼう」「石臼」は、ほしいものが何でも出てきますし、「上着」は身に付けると空を飛べるのだそうです。
この こんぼうで ゆかを たたくと ほしいものが なんでも でてくるのです。
「トッケビのこんぼう」平凡社 チョン・チャジュン 文 ふじもと ともみ 訳
こちらの絵本の中では、金貨や銀貨出てこいと言いながら床をたたいたのでお金が出てきていました。
いいですね。
管理人も欲しくなってしまいます。
韓国ドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々〜」でのトッケビの描写。
韓国ドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々〜」でコン・ユさん演じるトッケビはどのようなものだったでしょうか。
- 永遠の命を持っている。
- 人間に幸運をもたらすことがある。
- 空を飛べる。
- 物を浮かせることができる。
- 街の至るところのドアから世界中へ行ける。
- 胸に見えない剣が刺さっている。
- トッケビの花嫁によって剣が抜かれると命が終わる。
- ろうそくの火を吹き消すと呼び出される。
- 肉が好き。
- お酒も好き。
絵本に出てくるトッケビたちと比べると、2、3、9、10が共通するところでしょうか。
それにしても、ドラマ内のトッケビが何と魅力的だったことか。
まとめ
韓国ドラマ「トッケビ」のトッケビとは何かを絵本から解き明かしていきました。
まとめると以下のようになります。
- 起源ははっきりしないが韓国で昔から親しまれてきた存在。
- 幽霊や妖怪の一種と考えられてきた。
- 見た目は人間に近いがさまざまで肉やムクを好む。
今回、トッケビについて調べてみて、韓国の風習や言い伝えなど面白いものを知ることができ嬉しかったです。
きっかけはドラマでしたが、自分の住んでいる土地以外のことを知るのが面白かったのでまた機会があればいろいろ調べたいとおもいました。
韓国ドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』については別記事でまとめています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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