韓国ドラマ『イ・サン』は、朝鮮王朝史上、最も波乱万丈の人生を送ったイ・サンの生涯を描く超大作時代劇です。朝鮮王朝の改革者として名高い正祖の政治的業績と、一人の人間としての苦悩を巧みに描き出しています。
今回は、そんな『イ・サン』を全話視聴した感想をお届けします。

隙間時間が10分あれば韓ドラを見る。ラブコメとマクチャンドラマが大好物のドラマヴィータ管理人がお届けします。
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『イ・サン』の簡単なあらすじ
『イ・サン』は18世紀の朝鮮王朝を舞台に、第22代王・正祖(イ・サン)の波乱に満ちた生涯を描いた歴史ドラマです。幼少期、祖父である英祖王により父(思悼世子)が謀反の罪で処刑されるという悲劇を経験したイ・サン。彼は「逆賊の息子」というレッテルを貼られながらも、王位継承者として成長していきます。
王になった後も、保守派の老論勢力や外戚勢力との政治的対立、そして度重なる暗殺の危機に直面しながら、朝鮮王朝の改革に取り組みます。そんな苦難の中、幼なじみのソンヨンとの純愛や、忠実な部下たちとの絆に支えられながら、彼は理想の国を築くために奮闘します。
親しい人々の裏切りや、王という立場ゆえの孤独と対峙しながらも、民のための政治を貫こうとするイ・サンの姿は、22年の歳月をかけて朝鮮王朝の改革者として歴史に名を残すことになります。
『イ・サン』全話見た感想
韓国時代劇『イ・サン』は、実在した正祖イ・サンをモデルにした時代劇ドラマです。韓国の歴史に詳しくない管理人ですが、こんな波乱に満ちた人生を送った王がいたのだと驚いてしまいました。

父を反逆者として処刑されてしまうところから始まるこのドラマ。全77話あり、見るのが大変でしたが、ほんとうに見てよかった。韓国という国をより身近に感じるようになりました。
『イ・サン』は単なる時代劇ではなく、朝鮮王朝の改革者として名高い正祖の政治的業績と、一人の人間としての苦悩を巧みに描き出しています。壮大なスケールの中にも、繊細な人間関係や感情の機微が織り込まれており、歴史ドラマとしての奥行きを感じさせます。
”勧善懲悪”までいかないけれど、日本の時代劇を彷彿とさせる
『イ・サン』は、MBCが制作した歴史大作ドラマで、朝鮮王朝第22代王である正祖イ・サンの生涯を描いた作品です。全体的な雰囲気は日本の時代劇に通じるものがあります。
日本の時代劇は”勧善懲悪”で、だいたい1話の中で起承転結するオムニバス形式のものが頭に浮かびます。『イ・サン』は、1話で起承転結はしないのですが、おおまかな流れの中で”勧善懲悪”が繰り返されます。最後まで悪を完全に撤退させることはできないのですが、問題発生から調査、対立、解決という流れが、日本の時代劇にとてもよく似ています。また、武官たちが暗闇の中で敵を追跡し、追い詰めるシーンが何度もあり、日本時代劇を彷彿させます。

『イ・サン』が、日本の時代劇ドラマだとすると、同じ李氏朝鮮を舞台にした『チャングムの誓い』は、日本の朝ドラか大河ドラマといった雰囲気に受け取れました。
波乱に満ちた運命と生涯
イ・サンの人生は、まさに波乱の連続でした。世孫(セソン=王位継承者)時代から王になった後も、常に命を狙われ続ける緊張感の中で生きていました。さらに彼の人生を大きく左右したのは、世子・世孫と対立する老論派の陰謀で、王である祖父(英祖/ヨンジョ)により、逆賊として世子である父(思悼世子/セドセジャ)を殺されるという悲劇です。
この出来事は、イ・サンに深い心の傷と恨みを残し、祖父との信頼関係を根本から崩壊させました。本音を話せない関係性の中で、イ・サンは常に自分の感情を抑え、政治的にも慎重に行動せざるを得ませんでした。このような複雑な家族関係と政治的状況が、ドラマに深い緊張感と奥行きを与えています。

ドラマによる脚色はあるのだろうけれど、老論派による陰謀で、父が祖父により処罰されたというのは史実です。正祖(ドラマ内ではサン)にとっては、かなりの衝撃だったはず。反対勢力に負けず、民のための政治を実現させた正祖の人生は、まさにドラマのように波乱万丈だったのでしょう。
王という孤独な存在の苦悩と救い
このドラマの魅力は、何といっても「王」という孤立した立場にあるイ・サンの葛藤を深く描いている点にあります。国を統治する者として、どれほど信頼したくても裏切られてしまう宿命を背負った主人公の姿は、とても心に響きました。
特に継祖母である貞純大妃(チョンスンデビ)や腹心のホン・グギョンとの関係性は、権力と信頼の難しさを物語っています。王という立場上、心を許せる人間は限られており、最終的にイ・サンが心を開くことができたのは幼馴染のソンヨンとテスだけでした。

腹心のホン・グギョンがあんな裏切り方をするなんて、最後まで見たけれど、まだ信じられません。出世のためだったのか、王イ・サンのためだったのか、グギョン自身も分からぬまま破滅に向かってしまったのかもしれませんね。
幼い頃に身分を越えて友人となったソンヨン(のちに図画署の茶母)とテス(のちに武官)は、サンの心を生涯支え続けました。ふたりの幼馴染は、身分が違い、権力争いに関わっていないからこそ、サンは心を預けることができ、救いとなりえたのでしょうね。
世孫イ・サンの子役が大人役イ・ソジンに表情までそっくり
このドラマの中でキャストで注目したところがありました。それは、世孫イ・サンの子役パク・ジビンが大人役イ・ソジンにそっくりなところです。
見た目がそっくりな子役を抜擢する例はあると思うのですが、このパク・ジビンは、イ・ソジンと表情までもがそっくりです。とくに希望が見えたときや、嬉しいときに笑った表情が似ています。子ども時代のシーンは長くないのですが、大人時代になってもイ・ソジンが笑顔のときには、パク・ジビン演じる子ども時代のサンの笑顔も重なります。

きっと、イ・ソジンが少年のような笑顔であることも影響しているかと思いますが、ここまでそっくりな子役も珍しいと感じました。
このそっくりさ加減もドラマのストーリーを盛り立てました。サンが幼少期からの絆を大切にし、良い王になろうと誓い努力し続けたことが、このドラマの通奏低音のようにずっと鳴り続けていたように思います。このサンの姿を支えた一部は、このキャスト配属なのではないでしょうか。
まとめ
圧倒的な映像美、緻密な時代考証、そして俳優陣の熱演によって、『イ・サン』は、韓国時代劇の最高峰の一つとして認められています。特に主演のイ・ソジンの演技は、王としての威厳と、一人の人間としての脆さを見事に表現しており、見る人を物語の世界へと引き込みます。

全77話とちょっと長い作品ですが、韓国ドラマ初心者から熱烈なファンまで、韓国の歴史に興味がある方にはぜひ一度見ていただきたい傑作です。イ・サンという歴史上の人物を通して、権力と孤独、信頼と裏切りというテーマを深く考えさせられる作品といえるでしょう。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。をお届けします。
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