韓国ドラマ『ムービング』は、2024年の第60回百想芸術大賞テレビ部門で大賞、脚本賞、男性新人演技賞を受賞した超大作。特殊能力者たちの壮絶な生存劇を描いた作品で、単なるアクションを超えた深い感動と人間ドラマが魅力的な作品です。
この記事では、『ムービング』を全話見た感想をお伝えしていきます。
全話を鑑賞し、全身全霊でこのストーリーのメッセージを受け取りました。隙間時間が10分あれば韓ドラを見るドラマヴィータ管理人が解説します。
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『ムービング』の簡単なあらすじ
物語の中心は、特殊能力が遺伝する複数の家族。親世代は、過去に政府の極秘任務に従事しており、特殊な能力を利用して危険なミッションをこなしていました。しかし、過去の任務の影響で平穏な生活を送れず、能力を隠して子供たちと暮らしています。
一方、子供世代は自分たちに特殊能力があることを知りつつも、それを隠しながら普通の学生生活を送っています。しかし、家族の秘密や彼らの能力に目をつけた政府や敵勢力が再び接近し、彼らは大きな脅威に直面してしまいます。
家族間の絆や成長、そして彼らが持つ力の重要性がテーマの物語ですが、緊迫感のあるアクションシーンとサスペンスも見どころのSFアクションドラマです。
『ムービング』最終話まで見た感想
『ムービング』は、特殊能力者たちの感動的な物語であり、愛と葛藤が紡ぐファンタジーアクションドラマでした。
特殊能力者の感情と力の相互作用
特筆すべきは、登場人物たちの超人的な能力が彼らの感情と密接に結びついている点です。単なる力の描写ではなく、登場人物の複雑な感情世界が作品に深い人間性を吹き込んでいるのです。
キャラクターの内面的な葛藤が描かれることで、より心に響くストーリーになっていました。特殊能力者でありながら、彼らの感情や苦悩は極めて人間的で、むしろ超人的な力を持つがゆえに深刻な内なる葛藤を抱えている点に親近感を覚えました。
親子愛と絆のテーマ
特殊能力者たちが秘密裏に生活する背景には、子どもを権力者から守りたいという切実な親の愛情があります。親自身が権力者に利用されてきた状況を、子どもには経験させたくないという思いが伝わってきます。この家族への献身的な想いが、ドラマ全体を通して心を打つ重要なテーマとなっています。
国境を越えた葛藤の構図
このドラマには、国家を超えて、特殊能力者たちが同じように抑圧され、苦難を強いられている構図が鮮明に描かれています。
特殊能力者たちは、権力者により命令され動き、能力を搾取されています。ドラマの中で北朝鮮、韓国、アメリカの3国が出てきますが、その権力構造はどの国も変わりません。対立していても、特殊能力者たちが置かれた立場はどの国も同じなのです。特殊能力者同士の対立の根底には、彼らを操る各国の権力者の存在があります。
この権力構造は、ドラマ内だけでなく、現実社会でもあり得ることで、考えさせられた点でした。
複雑な人物描写
ドラマ内では、登場人物一人一人の背景や人生が丁寧に描かれ、単純な正義と悪の二項対立を超えた、複雑な人間模様が描写されています。敵対する人物たちにも、その行動を余儀なくさせる切実な事情や背景があることを通じて、現実社会の複雑さを反映した奥深いストーリー展開に、深い共感と思索を促されます。従来のヒーロードラマでは見られない、登場人物の多面的で繊細な内面描写が、ストーリーへの没入感を格段に高めているのです。
印象的なシーン:第12話の愛の選択
特に印象的なシーンは、ドゥシクが恋人のミヒョンを撃つように見えながら、実は彼女を守るための作戦を練っていた第12話のシーンです。
追ってが迫るとドゥシクはミン次長を人質にとり、空を飛びます。そしてミン次長へ向けていた銃を、地上から見上げているミヒョンへと向けるのです。しかし、実際に打ち出された銃弾は、ミヒョンの隣にいたドゥシクの相棒クリョンポが腕を差し出し、受け止められたのです。クリョンポはどんなケガも回復してしまう能力があり、銃弾を受けても大丈夫なのです。
ドゥシクとクリョンポは他人には分からないように通じ合っていました。「いつも通り」という言葉と、百発百中のドゥシクが射撃場で的の人物の腕部分を撃ち抜いていたこと、以前銃弾を取るために貸した父の形見のナイフをミヒョンからクリョンポに渡したことなどから、ドゥシクは確実にミヒョンを守る算段をしていたのです。
一見すれば、ミヒョンに裏切られたドゥシクが逆上して彼女を撃ったように見えます。しかし、実はミヒョンを権力者たちの標的にさせないために仕組んだことだったのです。
ドゥシクの愛の深さを感じました。
今後の展開への期待
エンディングで示唆された伏線は、続編への興味を大いに掻き立てました。ミン次長の上長の登場、ミン次長の死、フランクの生存など、これからの特殊能力者たちの運命を左右する伏線に、不安と期待が膨らみます。
まとめ:総評
『ムービング』は、単なるアクションドラマを超えた、人間の感情と力の深い探求を描いた作品です。特殊能力という設定を通して、愛、犠牲、生存の意味を問いかける感動作と言えるでしょう。続編が期待されます。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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